透析看護の仕事内容


今回は、とても奥が深いといわれる透析看護について考えてみます。

透析看護の対象となるのはどんな患者さん?

文字通り、透析が必要な患者さんですね。では実際、どのような状態になると透析が必要なのでしょうか。

人工透析とは医療行為のひとつで、何らかの原因により腎臓の機能が低下してしまった時に、人工的に代替し血液を浄化させることです。つまり透析が必要な患者さんというのは、何らかの原因で腎機能が低下し、自らの力では身体の中の老廃物が体外へ排出できない状態にあります。

これを治療するために透析を行うわけですから、当然のことながら、腎機能をこれ以上低下させない、身体の中に老廃物を溜めこまないなど、日常生活でも多くのことを制限されています。

人工透析にはいくつかの方法がありますが、現在多く行われているのは、血液透析(HD)と腹膜透析(PD)でしょうか。現在では腹膜透析は8年程度が限界と考えられており、その前に血液透析に移行する患者さんが多いようです。

特に透析専門クリニックなどでは血液透析が主流かと思います。現在では保険適応もあり在宅で透析を行う患者さんもいらっしゃいますが、今回は主に透析専門クリニック(透析ナース)について考えてみます。

透析看護はどんなお仕事?

透析専門クリニックなどでは、患者さんの状態にもよりますが、1週間に何回の透析が必要なのか、1回何時間かかるのか、1度に受け入れ可能な患者数(ベッド数)がどれくらいなのか、これらの事情により概ねの受け入れ可能な患者さんの数が決まります。これを大幅に超える患者さんを受け入れるのは、中々難しいようです。

看護師の主な仕事は、血液透析を行う患者さんへの穿刺業務です。毎分100~250mlという大きな血流量を得る必要がありますので、針はかなり太いです。また患者さんによっては、動脈と静脈を体表近くで交通させた内シャントを増設している場合もあります。つまり毎回決まった場所に、2~3日に1回、かなり太い針を刺す、というのが看護師の重要な仕事の1つになります。

その他にも、透析時間はおよそ4~5時間程度かかりますので、その間の患者さんの状態をつぶさに観察することも大きな役割です。透析は、普通の腎臓なら週168時間かけて行っている体内での浄化処理を、極短時間に行っています。

体内では急激な電解質変化と蓄積した尿毒症性物質の急激な減少が起きているわけですから、患者さんの身体には大きな負担となり、いわゆる不均衡症候群を生じることもあります。

透析看護に向いている看護師

患者さんは一度透析を始めると、例えば急性腎不全による一時的な透析ではない限り、生きている間は透析が必要となります。現在では18時以降でも透析を受け入れる専門クリニックなどもあり、患者さんも就業・就学が可能な地域もあります(主に都市部ですが)。

透析患者さんは日常生活でも制限を受けることが多く、また何かの事情により数回続けて透析が受けられない場合、体調が非常に悪化する可能性があります。禁止されている食物を一気に食べるだけで、最悪の場合は死に至ります。

透析には大きな回路(ディスポ)を使用しますが、実は先の東日本大震災直後には、回路やベッドの不足により、多くの患者さんは「もうダメか」と思われたようです。

しかし回路メーカーの方が担いで回路を運んだり(輸送がストップしたので)、被災県外で定員を大幅に超える患者さんを受け入れてくれた施設が数多くあり、被災した患者さんも何とか継続的に透析が受けられた、という実話があります。

一見、同じ患者さんと週に数回顔を合わせ、緊急事態があまり起こらない、大きな変化がないような職場にも見えますが、透析は患者さんにとっての命の綱です。これに長く携わると、透析看護という認定看護師の道も開けてきます。透析は非常に奥が深く、かなりの専門性が必要とされる職場だと思いますよ。

いかがですか?今回は透析について考えてみました。何となく想像できそうですか?


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