糖尿病に関わる仕事


今回はこれまでの○○科ではなく、どんな職場にいても関わる可能性のある糖尿病患者さんとの付き合い方について考えてみます。

糖尿病を持つ患者さんとは?

厚生労働省の推計では、2007年現在でおよそ890万人、14人1人の割合で糖尿病を患っているとされています。これは5年ほど前の数値ですので、現在ではもっと増えているでしょう。

糖尿病患者さんさんが増えている原因としては、脂質を多く含む食品が増えたことなど、食生活の欧米化が深く関係しているといわれています。ずっと昔には「贅沢病」とも言われていた糖尿病。現在では食事内容の変化とともに、高齢化が進んだことも大きな要因のようです。

糖尿病には、生まれつきインスリン分泌能が低かったり何らかの原因でインスリンが作られなくなって起こるⅠ型糖尿病と、生活習慣の悪化によりインスリンが枯渇したりインスリンが作用しにくい状態に身体が変化して起こるタイプのⅡ型糖尿病があります。

もっと細かく見ると、ホルモン異常や薬物の影響で起こるタイプ(二次性糖尿病)や妊娠によって起こるタイプ(妊娠糖尿病)もあります。

今やどんな職場でも数人に1人は糖尿病を合併した患者さんに会うのではないでしょうか。内科や内分泌の病棟・外来は当然ですが、糖尿病の合併症とも関連する腎臓や泌尿器系の科、眼科なども、根底に糖尿病を持っている患者さんが多い科ですね。

看護師と糖尿病患者さんとの関わり

看護師が糖尿病がある患者さんと接する場合、まず血糖管理は重要な仕事の1つです。例えば入院中の血液検査もそうですし、その患者さんが受けている糖尿病治療の内容を理解する必要があります。

糖尿病治療の第一歩は、食事療法と運動療法です。患者さんの状態によって薬物治療も併用されますが、食事療法と運動療法は辞めて良い治療ではありません。一生続きます。

薬物治療も内服治療だけではなく状態によってはインスリン自己注射を行うケースも増えています。多くの場合は2つ以上の治療法(内服+インスリンとか)が併用されていますし、糖尿病治療薬の進歩は目覚ましいものがあります。

インスリン注射薬一つをとっても効果の現れ方や持続時間などで様々な種類があります。さらに一歩進んで、自己血糖測定(SMBG)を1日に数回行う患者さんも多いです。アナタはこれらの変化について行けますか?

どんな看護師が向いているのか?

まずは糖尿病をしっかり理解していることが必要です。確かに自分の勤務場所としてメインの疾患ではない場合もあります。

しかし糖尿病は身体全体への影響が大きく、糖尿病発症後にどんなに上手く付き合っていても、いずれは眼や腎臓や四肢の末梢などに障害を起こします。自分の勤務場所としてメインの疾患に大きく関わる可能性も大きいことですので、これはとても重要です。

また糖尿病患者さんは、患者さんの性格にもよりますが、罹病期間が長ければ長いほど、食事や運動に対して意見されることを嫌う傾向もあります。しかしどんなに薬物を用いたところで食事や運動がきちんとしていなければ長く付き合うことは出来ません。その辺の微妙な心情を理解して接することも必要ですね。

ところで、糖尿病患者さんと長く関わると、糖尿病認定看護師資格取得の道へ進むことも出来ます。この資格を取ると、例えば病棟や外来を跨って、糖尿病患者さんと深く関わることができます。最近では看護師による指導の場が設けられている病院も増えています。

看護師の仕事は主に患者さんの血糖パターンを把握し、適切な治療を適切な時期に受けられるよう、医師や他のスタッフと連携して指導していくことになります。正に専門性が重要な仕事です。そこには患者さんの心情や家族背景、生活パターンをしっかり把握し、他の医療者と連携しながら適切な助言をする、という素質が重要となりそうです。

場合によっては自分の意見が治療方針に影響を与えることもあり得ますので、責任も大きいですね。

いかがですか?今回は糖尿病患者さんとの関わりについて考えてみました。何となく想像できそうですか?


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