消化器内科の仕事内容


今回は老若男女問わず患者さんが来る、消化器内科について考えてみます。

消化器内科にはどんな患者さんが来る?

消化器内科は、文字通り食道から肛門までの消化管と、肝臓や胆のう・膵臓などの消化に関する臓器の疾患を専門とする分野です。

非常に分かりやすい例を上げると、手術適応ではない胃潰瘍・胃腸炎や胃がん、肝炎・肝硬変や肝臓がん、胆のう炎や胆のうがん、家族性大腸炎などもそうですね。急性・慢性膵炎なども含まれます。(膵臓という意味では糖尿病もありそうですが、これは別に「糖尿病と関わる」というページで考えたいと思います)

また短期間ですが、内視鏡による検査・処置などで入院してくる患者さんもいます。さらには抗がん剤治療のために数日の入院を何度も繰り返す患者さんもいます。消化器内科の対象は、口から物を食べて排泄するまでに関わる全ての臓器の疾患(ただし手術以外)と考えて良いでしょう。

消化器内科はどんなお仕事?

消化器内科に入院する患者さんは、基本的に食事内容が大きく変わります。絶食の患者さんも多いですよね。人は食事をすることである程度ストレスを解消することもあります。しかし消化器系の疾患の場合、これが思うように出来ないことが、患者さんにとって大きなストレスになることもあります。

また、絶食期間が長い場合、人はある程度のカロリーを身体に入れないと生きていけませんので、その代わりに中心静脈栄養のラインを確保し、高カロリー輸液を行う場合も多くみられます。入院して初めて中心静脈栄養のラインを確保する場合、その介助も看護師の仕事の1つですね。

しかも身体のどこでも確保できるものではなく、ある程度決められた数か所しか使えません。一度確保したラインを長く維持することも、看護師の仕事と言えます。

さらには、抗がん剤治療の為に入院してくる患者さんもいます。ここ数年の抗がん剤の進歩は目覚ましく、次々と新しい薬剤が発売され、新しいレジメン(抗がん剤治療における薬剤と投与方法の決まり)も続々出てきますので、これをしっかり覚えることも重要ですね。

消化器内科に向いている看護師

まずは消化器系の臓器の解剖生理と病態生理をしっかり理解していることはとても重要です。消化器系の場合、どの臓器に障害が起こるかで、表に出てくる症状は様々です。

例えば重度の肝硬変や肝臓がんの場合、肝性脳症といって意識障害が起こることがあります。また腸閉塞(イレウス)の場合、特徴的な腸蠕動音が聴診できますし、イレウスの患者さんでは喀痰が排出しにくくなったり、嘔吐物の誤嚥による呼吸器合併症なども起こしやすくなります(イレウス患者さんの嘔吐物には、細菌が多く存在するので、呼吸器感染を起こしやすいのです)。

他にも、食道がんであれば部位によっては呼吸困難や嗄声がみられることもありますし、消化管からの出血は便の色や性状から判断できる場合もあります。さらに腹水が貯留していれば呼吸苦を訴える患者さんもいます。

このように、消化器系の疾患では現れる症状が様々、観察項目も病態に合わせて様々です。何故この観察が必要か、病態によって他に必要な観察項目はないか、常に考えられる姿勢は重要ですね。あとは、食べられないストレスや、抗がん剤治療に対する患者さんへの、精神的なケアができるかも重要なポイントとなります。

ところで、消化器内科で抗がん剤治療や放射線治療を受ける患者さんに多く関わると、「がん化学療法看護」や「がん放射線治療看護」といった認定看護師の専門課程に進めるかもしれません。

さらに「がん看護」という専門看護師資格も可能性があります。消化器だけの専門性は難しいですが、がんや慢性疾患に向き合うことで、専門性を高めやすい分野でもあります。

いかがですか?今回は消化器内科での看護師の仕事を考えてみました。何となく想像できそうでしょうか?


このページの先頭へ