ドクターヘリに乗る看護師の仕事内容


今回は主に院外でも活躍する、ドクターヘリに乗る看護師の仕事について考えてみます。

ドクターヘリとは何か?

『ドクターヘリ』という言葉は、テレビドラマにもなった位ですので、耳馴染みはあるでしょう。大まかに言えば「救急医と看護師が同乗して救急医療現場等に向かい、医療機関に搬送するまでの間、患者に救命医療を施すことができる、救急医療用の医療機器等を装備した専用ヘリコプター」のことです。

ドクターヘリの運航は「救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法」という法律が基本となっています。

日本でのドクターヘリの導入は、阪神・淡路大震災がきっかけでした。その後、この震災での教訓を生かし、岡山県と神奈川県で実証実験がスタート、2001年の千葉・静岡などでの運用開始を皮切りに、現在では29の都道府県で運用されています。

図1 ドクターヘリが運航されている都道府県(2011年12月現在)

昨年の東日本大震災では、地域を超えて全国からDMATとドクターヘリが花巻空港に設けられた広域拠点に集まり、3ヶ月に渡り被災者の救援に当たりました。しかし民間航空会社が受託している機体のため、都道府県の防災ヘリや自衛隊などのヘリよりも給油が優先されないなど、困難な状況もあったようです。頑張っているのは同じなのに、変ですよね。

ドクターヘリの機体や器材は、大きく分けて医療機関が所有・整備しているものと、民間航空会社が所有し都道府県などから受託しているものがあります。いずれにしても待機しているのは、都道府県の救急医療の中核を成す医療機関です。

基本的にドクターヘリの運航は日中のみ(日の出から日没まで)のことが多いのですが、都道府県によっては防災ヘリと協力し、24時間対応を行っている地域もあります。

ドクターヘリに乗る看護師はどんなお仕事?

前述の通り、救急医とともに専用ヘリに乗り込んで救急医療現場等に向かい、医療機関に搬送するまでの間、患者に救命医療を施すというのがお仕事です。具体的には、大規模な交通事故や、工場での爆発あるいは崩落事故、大規模災害や山岳火災の現場など、救急救命が必要な患者さんへの救命処置の介助です。

しかも救急車ではたどり着けない場所とか、山岳地帯であれば急こう配の斜面での救出、なども予測されます。患者さんの重症度としては、トリアージタグでいえば黄色から赤、場合によっては限りなく黒に近い赤のこともあるでしょう。

基本的には救命医の指示に従いますが、限られた資材・薬剤・器機の範囲で行わなければなりませんし、そのまま患者さんの死につながる可能性がありますので失敗は許されません。出動要請を受けた時点で、少ない情報の中から器材や薬剤に不足はないかを判断し、十分な準備をして乗り込むのも看護師の仕事の1つです。
 

ドクターヘリに乗るのに向いている看護師

まず第一に、瞬時の判断・的確な行動がとれる機敏さが必要です。患者さんが1名の現場であれば治療の優先順位は明らかですが、複数の場合はトリアージが治療の優先順位を決定しますね。多くは、高度救命センターや救急外来・ICUなどの、救急医療にある程度長く関わってきた看護師が抜擢されるようです。

数名でシフトを組みますが、ヘリに乗っていない時は、救急外来などで待機・勤務していたりします。業務内容的には、緩急の差が結構ありますね。

あとは精神力と体力でしょうか。場合によってはその場で看取ることもあるわけですから、それなりの精神力が必要です。また必ずしも平坦ではない場所での救命処置ですから、それなりの体力や丈夫な身体(特に足腰)は必要でしょう。あとはここぞという時の度胸かな。

それから忘れてならないのは、乗り物酔いをしないこと。ヘリって実は結構揺れますし、その中でモニターや小さな文字をじっと見ていると、結構酔います。これでは仕事になりませんので、ホントはかなり重要な素質かもしれません。

いかがですか?今回はドクターヘリに乗る看護師の仕事を考えてみました。何となく想像できそうですか?


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